種を蒔く人



別れの予感 これは点滴ポール君2代目??

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素敵なおわかれの予感。
ええ、たいしたことじゃないです。
点滴ポールとのお別れですから。

4月の6日あたりから固形物を一切摂れなくなって、
それでも胸につながっている点滴を確保するCVという装置から、
必要な輸液は点滴で入るようになっているから安心。

あんまり安心じゃないのは、
痛みで口から薬を飲めなくなることよりも、
頑張って薬を飲もうとするたび嘔吐して、体力と水分を必要以上に奪われること。
そしてただでさえ虫の息なのに更に虫の息になって触覚とか生えてこないか心配。
(あくまで私の場合)

対処法として、まず食事の前に喉が痛いときは医療用モルヒネを飲む。
これは小さい錠剤だから大丈夫。
夜の分のお薬を袋から出してスタンバイしておきます。
そして痛みが引いた頃を見計らって、
精神統一しておもむろに一粒ずつやっつけていく。
はばげないように(むせないように)
自己催眠や素敵な妄想を総動員です。

モルヒネが効いてくるまで、
「だぁ〜」(効果音は出しません)って、
ベッドに体を投げ出すのですが、
これは私的に大事な儀式。

今日は薬を前にしてこの体を本当に無防備にさらけ出してしまい、
思わず気心の知れた看護師さんだったので言い訳してしまいました。
「あーこれね、薬を飲むための助走期間なんです。
いろいろ精神統一したりするのにやんなきゃいけないの」
「いいんですよ〜、だって夜の薬は量が多いですもんね」
と言ってくれたものの、どれだけ深いわけがあるか、
実は問いただしていただきたかった。
変人だと言われても構いません。
だって、切羽詰まってるんですもの・・・当社比だけど・・・

抗がん剤はここから先、まあアクシデントがなければ使わない。
よって、CVという仰々しい装置もいらなくなる。
口から必要な薬を飲めて食べられるようになれば、
9ヶ月越しの点滴ポール君とはさよならなの。
うそみたい。ほんとにうれしい。

煩わしいと思ったら最後、
治療も続けられなくなるくらいうっとおしいと思うだろう自分を、
どうにかだましだまし点滴ポール君につないできたけど、
そろそろ我慢しなくていいらしい。
いひひ。というわけで、
点滴ポール君との別れの予感が素敵な妄想のひとつであります。
これは確実に元気が出るのです。

先陣を切った私が是非伝えたい。
痛みは我慢せず、上手にコントロールするのが一番。
不安も辛さも、看護師さんにさらけ出して手伝ってもらったほうがいい。

あんなケースはこうだったよ、とか、こういうケースはこれが有効だったとか、
経験を役にたてたいと思っている人がいっぱいいる。
そうすると案外いける。やり過ごせる。
看護師さんも患者さんのために役に立ちたいと心底思っている人もいるから。
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# by aikannsya | 2016-04-25 21:42 | ただいま闘病中

4日目にしてこの仕上がりってどうよ。

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うちの猫が、庭で写真を撮ってる娘に不満を表明。
「ふま〜ん。ふま〜ん」
何を言ってるのかわからないけど、これは不満顔。
不満顔もいいねぇ。
時々送られてくる猫の写真で癒されてます。

ちょっと油断してると4月が終わっちゃう。

移植が終わってから数日後、突然、ほんとに突然髪が抜けました。
去年の暮れからの治療でつるつるの頭になって、そこから生えた6センチほどの髪が、
つまむとつまんだぶんだけ
・・・サクッという形容がこれほどぴったりな表現はない・・・サクッと抜ける。
それが1日目。
あちこちの髪があらかた抜けて落ち武者みたいになったのが2日目。
極め付けは勝新太郎の昔の映画に出てくる、
しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん(ってわかんない?)の大五郎ぼうやのような、
前頭葉の生え際だけだけちょろっと残してつるっといきました。
そして4日目はすばらしい。
つるっとです。
久しぶりに自分の地肌をなでました。
4日目の仕上がりにしてはすごすぎじゃない?
お見せできないけど。
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# by aikannsya | 2016-04-18 19:18 | ただいま闘病中

ドクターKと愉快な仲間たち 続編

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担当医ではないけどSドクターは血液内科のチームドクターで、
30代中頃の男性ドクターです。
回診でまわってくるとゴルフのスイングの真似をしながら、
「どうっすか?調子は」
こちらが話していると聴診器をブンブン振り回したり、
(あれはゴルフか?いや〜野球でねが?などとナースさんたちの間でも話題になってる)
空気清浄機の吹き出し口に両手を当ててみたり。
(あれ、なにか意味あるんだろうかね、
手汗かいてんじゃない?手が熱いのかもね、
などとこっそり患者同士の話題の種になる)
なんていうか・・・挙動不審?
寝ている患者さんの目の前に手をひらひらさせて
「もしも〜し」と言って起こす。
(寝てるんだから目はあいてないのに、
目は見えてますか?みたいな・・・)
無菌室にに入る前に、
「娯楽は足りてますか?」と聞かれたので、
本はたっぷり用意しましたが、オススメの漫画とかありますかと聞いた。
ドクターは漫画に詳しいのでそういう事も参考にさせてもらってる。

はっきりしゃべらなくてわかりにくいという男性患者さんの意見もあるらしいが、
私のまわりの女性にはおおむね受けがいい。
飄々として、ちょっととぼけた感じがいいのかも。

教授回診の時に、
「ああ〜だめだな、こりゃあ、退屈病だ」
と、入院が長くなってまさしく退屈しきっていた20代の患者さんに、
福々しい笑顔でさりげなく笑いをもたらす血液内科の教授先生にも、
「良い伴侶はいないか」と心配されてるらしい。

いろんな個性の先生がチームで当たってくれるから助かる。
感謝だ。

ところで、
移植に向けて無菌室に入りました。
とうとうここからの出入りは禁止。
予後が良ければ約一ヶ月間、ここから一歩も出る事まかりならん状態。
シャワートイレ付きですが、8畳そこらの個室が生活のすべて。
水は薬剤部で作った無菌水だけ可。6時間以上たったものは破棄。
コップ、箸、スプーンは使い捨て。
給食も移植食といって制限が沢山。
納豆、チーズ、ドライフルーツ、チョコ、生物・・・
ああもお、制限が多くて覚えきれないくらい。
水道はなくて特別な装置からでる滅菌水だけ。

月曜日から三日間、放射線照射を受けました。
朝と夕方と40分ほどかけてベッドの上で、
頭と足を固定した人型みたいなのにはまって、
動かずに40分。
うっかり動くと眼球を保護している装置がずれるらしいから、
恐ろしくて逆に緊張する。
咳はしていい?とか、足がピクッとなるだけでどきどきする。
照射自体は痛くもかゆくもない。
だけど、体の中の白血球をゼロにする処置ですから、
愉快な治療ではありません。
途中で吐いたりしないように吐き気止めと、
放射線を浴びた時の船酔いみたいな副作用を和らげる点滴を打ちます。
病院の端っこにある放射線科には先生が直々に車椅子で押して送り迎え。
まるで先生が水戸黄門の印籠みたいに、
そこのけそこのけ状態に人がよけてくれてかたじけない。

じわじわ〜と効いてます。
少しずつだるくなってますが、いまのところ体を起こせるから大丈夫。

わたしも頑張ってますよ。
みなさんもファイトです。
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# by aikannsya | 2016-03-31 09:45 | ただいま闘病中

段ボールには入ってみる。カバンにも入ってみる。

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ちょうど良い大きさ。
でもすぐに飽きてくれる。
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かばんにも入りたいんだけど、新鮮でなくなると見向きもしない。

週末は子供達みんなで夫と見舞いに来てくれた。
娘たちは来るなり話し始める。
いろんなこと。
どうでもいいこと。ピーチクパーチク。それがいいかんじ。
どうでもいいことを聞くのがとても嬉しい。
兄弟喧嘩のいきさつや愚痴やら、
取るに足らないことがいい。
一緒に生活していたら気にもかけないことだけど嬉しい。
そして私は子供たちを褒める。
子供たちを喜ばせることはとても簡単。
できなかったことには目をつぶって、
いいところを探すだけ。かんた〜ん。
なのに、今まであまりできなかったことだから、丁寧に褒める。
甘やかしたらワガママになるって、
どうやら心のどこかで思ってたんだな。
けどなにもしなくても厳しい母になってしまう私が、
どんだけ褒めても子供らはワガママになり得ないよなあ。

世の中に出す前に、しっかりした人間に育てなければと、
どうやら頑張りすぎて、眉間に皺なぞこさえて、
必死に子育てしていた自分を思うと、
こういう大事なことに気付けて良かったかもしれない。
大病などせずに気付けたらもっと良かったけどね。
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# by aikannsya | 2016-03-22 10:35 | 何気ない日常を楽しむために

こらっ!テレビから離れなさい 目が悪くなる

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猫にも小言を言いたい。

娘の夢に私が出てきて、
早く寝なさいって言ったそうだ。

他の娘の夢にも私が出てきたそうだ。
その話をする娘が泣くもんだから、思わず私も泣いてしまった。

頑張るぜい。


もともと出歩くのが好きじゃないたちなのですが、
こうも自由が制限された生活を長く続けているとさすがに辛いものがある。
こんなとこ、っていっちゃ失礼ですが、
半径100メートルかそこらの、外気から遮断された空間に、
しかも地面から遥か10階に住まって今日で208日になります。
外の雑菌だらけのおいしい空気を吸ったのは二回だけ。
一泊二日の外泊許可が下りて家にお泊まりしに行った時だけ。

年末から工事していた無菌室が完成し、
さしあたって血小板が少なくて感染リスクが高い人や、
移植を控えた人が優先的に部屋を移動しました。
もともと4人部屋だったところを2部屋つぶして、
2人用の無菌室を2部屋作ったのです。

ここに入ってから一階のコンビニに行くのも禁止されました。
出歩いていいのは病棟の給湯室と、
電話が許可されているエレベーターホールだけ。

日常生活における行動範囲は極端に制限されてますが、
脳みそまで退屈させては辛くなるばかりなので、
ネットを使って読みたい本を手に入れることに情熱を傾けています。
ハッピーエンドの娯楽小説やノンフィクション、
漫画からエッセイなどをバランスよく取り揃えて、
常に数冊手元において、同時進行で読み進めるのがいいです。
読みたい本が積み上がっていると幸せです。
ひとりニマニマしてしまいます。
手元の本が少なくなると危機感を感じます。

先日読んだ移植のマニュアルに、
感染予防のため古本はダメと書いてあって慌てました。
看護師さんもダメって言った。
そんなにばっちいかねぇ。
新品の本で今の読書量を補うなんて大変な家計の負担になるから、
ネット情報なので大いにあやしいけど、
虫干しした本はいいという事にした。
もちろんお医者さんには内緒。自己責任です。
夫に頼んでみたら暇があったらやってくれるとのこと。
ほんと申し訳ない。
私のために、自宅に後から後からどさどさ届く古本を、
庭に出して虫干ししてくれるというのだ。そういう夫なのだ。

この頃欠かさず手元に置くのは旅のエッセイです。

私は旅が好きじゃない。
どちらかというと積極的に嫌い。
父なんてエジプトやカンボジア、スイスだのありとあらゆるところに行ってるが、
なにが面白くていくのか正直理解できない。
外国はまず言葉が通じないのが嫌だし、
治安の悪い観光地でスリに用心したりするのも嫌だ。
なにより汚れたトイレが死ぬほど嫌いなので、
トイレ事情の悪い国はまっぴらごめん。
日本ほどいいところはないと思うが、
その日本だって、べつにどこかを見たいとも思わない。
なんて器のちっさい奴かと、ええ、じぶんでも思いますもの、
笑ってくださって結構。
だけどというか、だからこそというか、旅のエッセイは楽しいね。
自転車で世界を回っている石田ゆうすけさんなんて、
私の代わりに(って訳じゃないけど)盗賊に身ぐるみはがれたりするのよ、
それを私はといえば、病室でパラマウントベッドを37度起こした状態でですよ、
ハラハラドキドキだけを味わうことができるのですよ。
「いや〜わたしじゃなくてよかったよかった」てな具合に。
なんて贅沢なんでしょう。
私の代わりに(決して私の代わりじゃないけど)、
どこかに移動するたびにボッタクリのリキシャとバトルしたり、
いろんな国の空気や暮らす人々の人間性を味わわせてくれる。

さくら剛さんという方にいたっては、
「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」という著書を見かけて、
でしょう、でしょう、だからいわんこっちゃない、と思いながらさらに調べると、
「ボケ!」なんて言ってるわりに、
この著者は懲りずに「中国なんて二度と行くかボケ!!」という本も書いている。
「ボケ!ボケ!」言ってるわりにいろんなところに行ってる様子。

旅は道連れ・・・にされたくないな。
旅は行った人の話を聞くのが一番だ。
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# by aikannsya | 2016-03-19 12:51 | ただいま闘病中


4人の子どもたちと殿と暮らすクリスチャンです。庄内平野のはじっこから、日々の生活をレポートします。
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