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種を蒔く人



地獄に堕ちちゃうのを心配する天使

昨日の夜、三女が思い詰めた表情で言うには、
「ねえ、わたし、死んだら地獄に行くかもしれないって、それが心配」

思わずきょとんとしてしまった。
少し前から、イエス様の話とか、アダムとイブの話を振ってくるから、
珍しいこともあるものだと思いつつも、
アダムとイブによってわたしたちに内在する罪の話、
それを許すために神がイエスキリストを降誕させたのだということ、
そして、イエス様を信じると天国にいけるのだという、
教義についての話をさらっとしてあげたのです。
すると三女が、もっとよく知りたいというから、
教会に行くとわかりやすく教えてくれるから、
今度一緒に行こうね、と言いました。

年配の人が何の気なしにする、悪いことをすると地獄に行くという話があるね。
こどもは、そうやって脅されたからって善人になれるものだろうか。
やましいことに足を踏み入れようとした時に、
ある程度は抑止力になるにしても、
多くの場合、罪の意識を深めるだけで、
ちっともいい話じゃないと、わたしは思っている。

だってわたし自身、悪いことをするもんじゃない、
悪いことをすると地獄に堕ちるぞ、
地獄に行くとえんま様に下を抜かれるぞ、などと、
じいちゃんばあちゃんにしょっちゅう言われたけれども、
ちっとも良い人間にならなかった。
良い人間になるべく、毎晩お祈りをしたこともあるし、
子供心に心を入れ替えて、真面目に勉強をしたり、
いたずらをしないようにしたり、努力をしたことはある。
ですが、悲しいかな、「心を入れ替えてよい子になろう週間」は、
長く続かないのですよ。
みなさんも身に覚えがない?
ある?
続いていれば、今頃もうちっと上等なことを話していただろう。

そういう宗教観に囲まれて育ったわたしは、
イエスキリストを救い主として受け入れる直前までは、
人間の分類をこんなふうに考えていた。
図式にするとこんなふうだ。
すっごい悪人→ちょっと悪人→やや悪人→かすかに悪人→普通の人間→かすかに善人→やや善人→ちょっと善人→すっごい善人
さて、自分はどのあたりだろう、と。
いたずらをしたり、勉強をしないで怒られる度に、
自分のことを、「ちょっと悪人」だと思った。
ときどき友だちと楽しく遊んで、素敵な気分で分かれた時などは、
「かすかに善人」だと思えた。
生涯で、善を行った数がどのくらいだったら、「すっごい善人」となるのだろうな。
どんな悪行をすると、地獄に行くんだろうか、当然そう考えるでしょ。
一回でも悪行をしたら、針地獄なのか、とかね、
どのくらいの善行を積むと帳消しになるかしら、とか。

キリスト教では、
イエスキリストを信じる←→イエスキリストを信じない
の二つしかない。
イエスキリストを信じるとすべてが許され、
天に召される時に天国入りのパスポートが与えられる。
信じないと、天国に行けない。
すべての人間は、罪を内在している。
だから、天国に入るためには、
イエスキリストがわたしたちの罪のあがないのために流した、
十字架の血が必要になるのです。

罪のない人間なんていないでしょ。
自分は完璧、非の打ち所がないという人がいたらお目にかかりたい。
いや、やめておこう。おめにかかりたくない。
お近づきにもなりたくないね。
そんなことを言うなんて、きっと大馬鹿ものか、
あるいは鼻持ちならないやつに違いないから。
みずみずしい感情を内に秘め、
理性とどう折り合いをつけて生活していくか、考えてこその人間だ。
正しいことだけをして生活していても、どこかにほころびが出るのは必至。
そもそも、正しいことなんて、人によって違ったりするんだから、
生き生きとした人生を送るあなたなら解ってくれると信じて言うけれども、
愛することだけを考えているのに、
知らずに人を傷つけてしまうという、
そんなことだってままあるのです。
それこそが愛すべき人間の弱さであり、
個性の形を作る要素だと思う。

「ねえねえ、わたしってば、わりと良い人間でしょ」
みたいに言う人がいたとするわよ。
その、「わりと」というのはどの程度なのか、
神さま的には、どういう解釈をすると思う?
キリスト教では、罪の数が問題なのではなく、
罪をあがなうイエスキリストの許しをこうかこわないかだから、
わかりやすくていいと思っている。

三女は、それまでこっそり悩んでいたらしくて、
話をしながら、しくしく泣き出してしまった。
あらあら。そんなに思いつめる前に話してくれればいいのに。
そういえば、三女はあまりわたしと一緒に教会に行かないから、
当然知っていると思っている教義についても、
あやふやだったのだということに思い至った。

ゆっくり話して聞かせたら、落ち着いて寝てくれた。
そういえばわたしも小さい頃、やけに死ぬことの恐怖について、
思い詰めて考えた時期があったわよ。

みなさんは、そういう記憶ないですか?
布団の中で、
「どうか神さま、地獄にいきませんように」
とお祈りしたこと、ないですか?
by aikannsya | 2010-03-25 21:33 | キリスト者として
<< ピー太郎よ、おまえを待っていたのだ。 ちなみに、あなたが欲しいものはなに? >>


4人の子どもたちと殿と暮らすクリスチャンです。庄内平野のはじっこから、日々の生活をレポートします。

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