種を蒔く人



こんなところにランドセル?

今朝の出来事だ。
六年生の娘を先頭に、三年生、一年生のおちびを急き立て、
わたしはみんなより五分ほど早く、長女を乗せて車で家を出た。
登校班の集合時間に間に合うように、
ハンカチ、ティッシュ、習字道具、
それぞれの忘れそうな物を指示して、
「いいが? わすれものすんなよ、おぐれねでいげのっ!」
と言い置いて出たのであります。

子どもたちが家を出たあと、
オットが玄関の鍵を閉めてくれる手はずになっている。

長女を送る道すがら、携帯に電話が入ったらしいが気がつかなかった。
中学に送って帰る道すがらはウォークマンをしていたので、
再び携帯に電話が入ったことに気がつかなかったのだ。
家に帰って、見覚えのある電話からの着信履歴に首をかしげる。
あ!!
小学校だ!
着信は、7時45分と8時10分の二度。
すわっ! 一大事か。
一度ならずも二度までも、
自宅ではなく携帯に電話が入るとは何かあったぞ。
熱を出したか?
怪我をしたか?
着信の時間からすると、学校についてすぐの時間だから、
登校時に何かあったに違いない。
交通事故?
血の気が引いた。

はやる気持ちで電話をするも、
話し中で通じない。

やっと通じたら事務の方が出て、
事情を説明したら三女の担任の先生が電話をくれたのだという。
しかし、自分は用件を知らないので、と話している途中に、
まわりに何か言われているらしく、
受話器を押さえてなにやら聞いている気配。
嫌な沈黙だった。
早く言ってくれ! 何があった?
「用件は・・・・・あ、ちょっと待って下さい」
この間が堪らない。
「担任は授業中なので席を外しておりますが、用件が分かりそうです、お待ちください。・・・・・あの~」
申し訳なさそうに事務の先生が申すには、
「あの~、○○(三女)さんが、ランドセルを忘れたので学校に届けて下さいということだそうです」
「は?」
「はい、ランドセルだそうです」
とにかく事情はわかったので、納得できなかったのだけど、
一旦電話を切ることにした。
「ありがとうございます。すいませんでした。それにしても、らんどせるしょわねで、なにしにがっこうさいたんでろのぉ」
緊張が解けたのと、安心した拍子に思わず方言でぼやいてしまった。
電話の先で事務の人が、遠慮なく笑っていた。
「ははははははは」

受話器を置き、家の中を見たら、ありました、ランドセル。
なぜ? 

いやね、前科があるからね、三女は。
暴風雪のために一斉下校をするとき、
ランドセルを学校の昇降口に忘れてきた人だから。
しかし、それは許しちゃうよ。
何を隠そうわたしも、遊びに夢中になって、
ランドセルを忘れて家に帰ったことがあるから。
だけどさ、学校に行くのにね、ランドセルを忘れる人がありますか?

玄関先を出るまで見届けられないという、
我が家の特別な事情があるにしても、
6年生のおねえちゃんが気がつかなかったかな、
三女の背中にランドセルがないって。
ハンカチ、ティッシュは忘れるなと言うよ、
だけど、ランドセルを忘れるなとは言わないよね。

ランドセル、届けました。
授業が始まっていて、みんなよい子にプリントに取り組んでいました。
ドアをノックしてランドセルを届けたら、
先生も笑っていたよ。
当の本人はといえば、ありがとうもなく、わたしの手からランドセルを受けとり、
そそくさと自分の席に戻っていった。

帰ってきた三女に、さっき聞いたんだ、
なんでランドセル忘れたのって。
愚問だよね。愚問。分かってるさ。
けど聞かずにいられないってぇの。
そしたらね、登校班の集合場所でみんなと待ち合わせているときに気がついたって。
そして大急ぎで取りに戻ったのだけど、
家の玄関の鍵が閉まっていて家に入れないから、
仕方なく学校に行って、職員室から電話をかけてもらったんだって。
我慢しきれなくて聞いちゃいましたよ。
「ねえ、職員室でなんて言ったの?」
「ランドセル忘れましたって」
「○○(担任の)先生笑ってなかった?」
「ううん」
「そう、笑わなかったの」
「でもね、他の先生がいっぱい笑ってた」
「ぶわはっはっはっは。そりゃそうだ。みんな笑ってた?」
「うん」
「がはははは」
「もうやめてよ、その話」
本人が不愉快そうだったので、もっともっと根掘り葉掘り、
ランドセルを忘れた時の気持ちとか、
他の先生の反応とか、友だちの反応とか聞きたかったのだけど、
かわいそうだから我慢しました。

わたしは想像したよ。
三女がいつもする、大人を前にしたときの堅い表情で、
職員室に行って担任の先生に電話を掛けてくれと頼んでいる様子。
それを受けて、真顔で電話を掛けてくれている先生の表情も。
そして一部始終を、笑いをこらえきれずに笑いながら見ている先生方の様子。
事情を知らない事務の先生に、
すっかり用件を知っていて耳打ちしてくれたのはきっと、教頭先生にちがいない。
一連の出来事を、開きなおって笑ってしまえばいいのに笑えない三女は、
わたしに笑われるのも不愉快なのだ。
こういう娘なんだよ。

この娘、よっぽどの大物になるか、
さもなくば・・・・・・・。

ま、かがやく将来に期待しようではないか。
伝説がもうひとつ増えたね。
引っ越したあとも、末代まで語り継がれることだろう。
[PR]
by aikannsya | 2010-04-14 16:55 | 何気ない日常を楽しむために
<< おなかのうちがわが、かゆいの。 こんばんはぁ。 >>


4人の子どもたちと殿と暮らすクリスチャンです。庄内平野のはじっこから、日々の生活をレポートします。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
お気に入りのブログ
「みんなの無農薬農法」
遊佐で無農薬にチャレンジしている素敵な方のブログです
http://www1.ocn.ne.jp/~kihe/

「遊ぶ塾」
遊佐で子供たちと真剣に遊ぶ大人たちのブログ
http://asobujyuku.org

家具を作る芸術家 桑原信之氏
http://koubouyuu.web.fc2.com/

「ヤッサン一座の紙芝居」
これを見ると血が騒ぐという
http://www.kamicomi.com

「庄内いどばた会議」
私が参加しているグループです
http://syonai-idobata.spaces.live.com
検索
その他のジャンル
おおきくなあれ
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧