ビールを飲もうかと思って、やめた。
うっかりしていたよ。
忘れちゃいけない、今日はオットを迎えに行くのだった。
立て続けに小学校と中学校のクラスの顔合わせがあり、
六年生の顔合わせはオットが担当することになった。
少し楽しんできてくれるといいが・・・・・。
このところ、楽しみがないらしくて、
ひがみっぽくていけない(わたしじゃないよ、オットがね)。
わたしは、お楽しみは自分で作るもんだと思っていて、
楽しくなければ楽しいことを探すけれども、
オットはあまりそういうことに積極的じゃない。
毎日晩酌にたっぷり飲む、酒という逃げ道があるから、
さほど苦しまずにやり過ごせるのでしょう。
だけど、そういう時間の使い方は見ていて非常にもったいなく感じる。
関係ないわたしまではらはらしてくる。
人生の砂時計の音が聞こえちゃうんだよ。
さらさらさら。
音もなくわたしたちを終焉に運ぶ時間の流れ。
ただでさえ、時間は容赦なく過ぎていき、
年と共に時間の経過が早く感じられるというのに、
なぜ毎日酒を飲んで頭を麻痺させられるのだろう。
わたしみたいに、一本でやめておけば、
自分の時間をたっぷり活用できるのに。
わたしがとやかく言うことじゃないから、黙っているが、
すごーく忙しい時はいらいらしてしまう。
が、こういうわたしも、ときには酒で麻痺させたくなるけどね、
根本的な解決法でないと思うから、最後の手段だね。
かといって、
稲葉の白ウサギよろしく、いつも心に赤チンを塗るのが潔いなどとは言わない。
考えても仕様がない、時間が解決するということも、多々あるからだ。
そういう場合は、ずるむけの心に赤チンじゃなくて、優しいお酒だわね。
わかってるよ、わかってるけど、
プチッときたね、昨夜は。
仕事を終えてさっそくテーブルで酒を飲み始めるオットに対して、
わたしは、千手観音のように、背中から見えない手を数本生やして、
速攻でつまみを作るのだけど、
そういうときに・・・・・・
テーブルの上が、自分の前だけごちゃごちゃして狭いんだけど、
とつぶやいている。
子どもたちは食べることに集中していて、
お父さんの話など聞いちゃいない。
わたしはその言葉、一応耳には入っているけど、
自分の手があるのだから、いらない皿は自分でどけたらいいと判断してほっとく。
昨日はオット、二回繰り返したね。
プチッと血管が切れる音がした(わたしの頭ね、一応念のため)。
それまでにも、オットとわたしの微妙なニュアンスのやりとりで、
わたしの頭はマッチ棒になっていた。
発火寸前。
これ以上こすると発火するぞ、という。
やだねぇ、狭い家の中にマッチ棒。
誰もさわりたくないよ。
こすると「ボッ!」発火しちゃうなんてさあ、
あいすまん。
自分でどけてくださいよ、と言ったのだが、そのひとことに、
たっぷり毒を仕込んでしまった。全治15時間かな。
そしたらうっかり、
口が勝手に動いてしまって、
ひがみっぽい言い方ばっかりしてるよ、あなた、と、
とどめを刺してしまった。
ああ、これで、全治1日と12時間だ。
やっちゃったよ。
ところで・・・・・・。
先日母が言うんだよ。
中古で求めた家の神棚の位置が悪いと。
「ひとのいえのごどださげ、へらへらっていうごどでねあんけどの」
この一言で始まるときは要注意だ。
人の家のことだけど、おまえの家の場合は黙っちゃいられないから、
素直に言うこと聞きなさいという前置きです。
その前置きを二回も三回も繰り返すから、ほらきたぁ、今度は何?
と、久しぶりにいや~な予感。
求めた中古物件の間取りの話。
神棚の上が二階の廊下になっているのだが、
それが家相的に非常に悪いのだそうだ。
知り合いの同じような家相の家は、夫婦が離婚して、
出ていった方が早死にしたとか。
母は、信心深いというか、必要以上に迷信を信じる人なの。
用があってあがった家で、内装工事をしている大工にその話をしたのだそうだ。
すると、神棚の上に、空とか雲とか書いた板を渡すといいと教えてくれたんだって。
さっそくいいこと聞いたと、うちに電話をよこしたわけだ。
だからね、「ひとのいえのごどださげ、へらへらっていうごどでねあんけどの」
おきまりの台詞をさらに何度か唱えたうえで、
悪いことは言わないから、自分の教えるとおりにせい、という話だった。
「わがた、はいはい、そうします」
と言ったらば、さすが母だ、とどめを刺したくなったらしい。
いつだったか泊まりに行った時、子どもたちが母に話したそうだ。
お父さんとお母さんが喧嘩するので、離婚しないか心配だと。
プチッ。
こういう脅しに、母に対しても珍しくプチっときてしまった。
「わがたわがた! 神棚の上に空の文字の、はいはい。雲が?
どっちでもいいなの? はい。ちゃんとやるやる」
母はわたしの性格を知っているから、
そんなこと言われたからって素直にやらない事を知っている。
占い一般を信じないからね、わたしは。
家相のせいで離婚? 早死に?
そういわれるとなおさら、頑固にチャレンジしたくなるじゃないの。
そんなもんに、人生を左右されてたまるもんかね。
というわけで、家相に反抗中なんです。
人生かかってますから、真剣です。
愛の真剣一本勝負。
みなさんは信じます?
家相。