種を蒔く人



豆まき

土曜日は主人の母がお世話になっている施設の家族会役員として、
最後の役員会に出てきました。
当然施設側としてはめったなことは起きないように運営しているし、
変化の極端に少ないお年よりの生活ですから、
施設運営を儀礼的に外部団体が監視しているという意味合いが強い役員会です。
家族会としての役割は、
年に一度の夏祭りのお手伝いや夏場の草むしりくらいでしょうか。

1時間半で終わるのですが、
職員の説明を聞くにつけ、
まったりのんびり時間が流れているのであろう入所者の生活が伝わってきます。
平和そのもので何も言うべきことはないところに、
儀礼的に発言を求められるから気が抜けません。
しかも名指しです。

今回は若干の利用者の入れ替わりがあったのと、
平均介護度が少し上がったという報告、
インフルエンザ予防についてと、
節分の豆まきをして楽しんだという報告がありました。

あまり退屈で気絶しそうだったので、
ノートにメモをとりながら、豆まきの様子を想像しました。
一人で立って歩き回る人は数えるほどしかいない入所者が、
どうやって豆を蒔くんだろう。
我が家のように鬼を追いかけるということはできないだろうから、
鬼が豆を当ててもらいに入所者の周りを走り回るのだろうか。
やっぱり的がないと豆まきは楽しくないよね。
窓を開けて各部屋全部に豆を蒔くのは、介助する方もされる方も大仕事だろうな。

すると何かご意見ご要望などありませんかと、わたしが名指しで発言を求められた。
眠気と戦っている最中だったので、ご意見ご要望どころじゃなかったのだけど、
みんなの視線が集まったので困ってしまった。
もうろうとした意識の私は小学生のように「はい」と手を挙げて、
「鬼は誰がやったんですか?」と発言している自分が見えて笑ってしまった。
まるで「バナナは300円のおやつに入るんですか?それとも果物ですか?」
と遠足の前に先生に聞いている生徒みたいだ。
まさかこの年でそれはあるまいと、
覚醒しつつある45歳の私の口が勝手に動いた。
「外出もできない冬場は、季節を感じる機会が極端に乏しい入所者にとって、
季節ごとの行事は大事だと思います。入所されてる方も喜んだのではないでしょうか」

さすが年の功である。
自画自賛してしまった。

職員も「ええ、それはもうみなさんよろこんで」とおっしゃった。
喜ぶといっても、子どものそれを想像してはいけない。
耳が遠かったり目が見えていても反応が緩やかな方々だ。
何が起きているのか理解できない人も多い。
職員が「よろこんで」と言うのは「今日はなんか賑やかだ」くらいの微妙な反応を見逃さない細やかな目配りがあってこそ。

調子に乗ってさらに発言した。
「ちなみに、鬼は誰がやったんですか?」
「私がやりました」と男性職員。
そして「固いものだと痛いので、新聞紙を丸めて投げてもらいました」と言う。

愉快な気持になった。
手のリハビリにもいいもんね。
新聞紙を丸めておいて、鬼が自分の近くに来たところを狙って投げる。
いいねぇ。のどかだねぇ。
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by aikannsya | 2012-02-05 20:16 | 何気ない日常を楽しむために
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4人の子どもたちと殿と暮らすクリスチャンです。庄内平野のはじっこから、日々の生活をレポートします。
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