祖母を見送りました。
危ないと聞いて駆けつけて、
家に帰ってきてだいたい1時間後に息を引き取りました。
生前からの願いで、家で看取り、家から葬儀を出すことになり、
それからしちゃかめっちゃかです。
こういうときしか親孝行ができないと思い、
年老いた母と父をサポートしようと腹をくくり、
毎日通い詰めました。
土曜日に通夜。
日曜日に葬儀。
そのあとも、
東京から来た叔父や叔母とその家族の使った寝具の片付け、
祭壇の仏花を親戚や隣組に配るための運転。
祖父の時は若い母が一手に引き受けたことだったのを、
こうして一緒にやってみて大変さをしみじみ感じます。
長女と三女が弔辞を読みました。
「たかだか14年しか生きてない私でも辛いことがたくさんあるのに、
94年も生きたおっきいおばあちゃんはえらい」
長女の言葉に深く感じ入る。
お坊さんも言ってた。
長く生きるだけで大変なんだって。だからこそ笑顔を施すことは徳を積むことになるんだって。
聖書にも同じような聖句があるね。
虫も錆も付かない天に徳を積みなさいって。
いつも喜んでいなさいって。
「おれいのばあちゃんはめんごさげ」
(うちのおばあちゃんはかわいい人だから)
自分の苦労や苛立ちを保留にして、かいがいしく8年も介護した母もえらいと思う。
なくなってから10日目になりましたが、
これ以上は片付けないのがいいんだって。
49日はそのあたりに魂がいるから、すっかり片付けると寂しがるんだって。
ふ~ん、そんなもんなの?
ということで今日は家で過ごした。
「だいじょうぶだよ、ゾウさん」という絵本が手元にある。
仲良しのゾウさんを見送るねずみさんのお話だ。
これが胸に染みるんだ。
素晴らしい絵本なのだけど、こどもたちに読むにはタイミングが難しい絵本で、
ずっと本棚で出番待ちしていた絵本です。
看取りがテーマなのですが、簡素で、それでいてしみじみ別れが胸に染みるストーリー。
だけど最後のページのネズミさんにはある種のふっきりが感じられて、
悲壮感がないのです。
生きている間、お互いの時間を慈しむように過ごした2人は、
決別をものともしない信頼で結ばれている。
是非、母にも読んで聞かせようと思う。